アップルGUI原論「なぜメニューバーは上端にあるのか?」

マックピープル2007年3月号特別付録。本来なら存在すら知らなかったはずの冊子だけど、会社の先輩が、「UIに興味あるなら...」って貸してくれた(^O^)。

なぜMacのメニューバーはウィンドウ上端ではなくデスクトップ上端にあるのか? ---それは、「目標の場所へのポインタ移動に要する時間は、目標の場所が大きければ短くなるから」。細かな場所合わせをする必要がないのなら、ひたすら高速にマウスを上に動かせばいい。メニューバーがデスクトップの上端にあれば、目標の場所は、擬似的にデスクトップの上端に続くデスクトップ外の無限の空間になる。で「移動距離が短い方が速い」というのもまた真ではあるが、ウィンドウ上端とデスクトップ上端では移動距離に大差のない場合が多い。

この一時から始まり、Macには現在の全UIの原型がある。フォルダ、アイコン、ダイアログボックス、スクロールバー。また、それらを支える視覚効果もシンプルかつ効果の高いものが使われている。ボタンを押した時のエフェクトなどは、シンプルなのに恐ろしいほどわかり易い。その他、使えないメニューをグレーアウトさせる、ウィンドウを開く時アニメーションを使う、など、操作をわかり易くするために最大限のエネルギーが使われている。

マックピープルの付録なので、Macびいきなのを割り引くとしても、あまりに多くのUIが、初期のMacの中で実現されているのがかえって空恐ろしい。何者だよ Apple。これでは、ウィンドウズはMacの真似と言われても仕方ない。けど、ここまでいい先例があると、真似せざるを得ないのもわかる。

だけど、やっぱり最初は他の何かを取り入れて参考にしたはず。パソコンとは関係ない何かを、どうやってパソコンのGUIに結びつけたのか、その辺の物語が面白そう。